最後はやっぱり「◯◯」だ!アプリを使った配車サービスの調査結果

3回に渡ってお届けした”エジプトでアプリを使った配車サービス”シリーズ。
2社それぞれの分析を終えて改めて実感したのは、最後の決め手はやっぱり「人」だということ。
車が古くても、エアコンがきかなくても、運転が少々荒くても…
乗車中の子供への対応や社内の空気感が良ければ、車を降りた瞬間に「このおっちゃんの車に乗れて良かった。楽しかった。」と思えるもの。

移動中を楽しく気持ち良く過ごし、素敵な思い出として残すことができるかどうかは、やはり運転手の人柄にかかっているのだ。

100回以上乗車して実感したドライバーの特徴

最近は毎日のようにアプリで配車サービスを利用しており、その80%はカリーム社だったので、久しぶりにウーバー社を利用してみました。

ウーバーを積極的に利用しない理由は、古い車を使用している場合があることと、カリームの方が接客態度がいいような気がする、という私の好みの問題です。

しかし、今回の分析を終えて新しい発見がありました。

それはウーバーのドライバーには、個性的な人が比較的多いということ。

振り返ってみると、記憶に残るドライバーの全てがウーバー社のドライバーなのです。

そのなかでも、特に個性的だったおっちゃんドライバーとはどんな人なのか?気になる方は、以下をご覧ください。

タクシーのおっちゃんとの思い出!

パッと見50代だけど、実年齢は65歳くらいと見受けられるおじいちゃん。シルベスタースタローンに少し似ている。

首元にネックレスをチラつかせるハイカラさん。

アラブ人にしては珍しい雰囲気をかもしだし、ハワイとかにいそうな南国の空気を漂わせている。

大きなショッピングセンターで配車を依頼した際、いつもなら配車依頼を出した後はドライバーに電話することはないが、広いショッピングセンターの30以上あるゲート番号を伝えるために連絡した時の彼の電話の対応が丁寧で素晴らしかった。

タクシーが到着するやいなや、すぐにベビーカーや荷物を一緒に運んでくれ「とても暖かみのある優しい対応をする方だな」というのが彼の第一印象。

次男が助手席に座り出発しようとした瞬間、ラジオから息子の大好きなジャスティン・ビーバーの曲が流れてきた。

突然息子が曲に合わせて歌い始めたので、おっちゃんが一言

「お前は、英語を翻訳できるのか?」

その問いに次男 「お兄ちゃんができる」

息子のノリノリな独唱が曲と共に終わると

「今度は俺の大好きな歌の番だ」と言いながら、おっちゃんは彼好みの音楽を流し始めた。

「オンリーユー」スピーカーから穏やかなメロディーにのせてロマンティックな歌が流れてくる。

「••••••」無反応な息子…

「ふふふふーん」曲を楽しむおっちゃん。

「•••••••••••」やっぱり無反応な息子。

「••••••••••••••」いつまでも無反応な息子。

「どうだ!素晴らしいだろ!」音楽が終わるとニヤリと笑みを浮かべ、おっちゃんが息子の表情を伺う。

変わりなく反応が悪かったので、またアメリカンPOPを流してくれた。

しかし1曲が終わると再び「自分の番!」と言わんばかりに曲を変える。

ワルツだった。

日が沈み始めたのでおじさんはコーランにかえてアザーン(夕暮れのお祈りの時間の呼び掛け)を待ち、なぜ日暮れには音楽をかけてはいけないかを熱く語っていた。

無事、家に着いた。

久々に面白いおっちゃんに会えて、皆がタクシーでの楽しい時間を過ごせたその日。

息子はお父さんに電話して、今日のおじさんがいかに素晴らしかったかについて語っていた。

子供にもちゃんと伝わっていたおっちゃんの面白さ。

年齢以上に若く見えるのは、人生を楽しんで満足して生きているからだと実感した。

そんな素敵な一日となった。

この記事を書いた人

りむ

沖縄県出身エジプト在住。
小学生の頃から常に夢をもち、目標設定を繰り返しながら人生を切り開く生き方を貫く。
「何歳になってもチャレンジできる。学ぶことに終わりはない」をモットーとし、子育てをしながら日本とエジプトの架橋「グローバル公民館」や個人メディア「りむラボ」を運営している。